柄を出す場所を調整することで長い期間に使えるように考えられた帯があった



柄を出す場所を調整することで長い期間に使えるように考えられた帯があった

843: 2023年04月17日 20:59

あのですね、ちょっとした気づきがあって、感動したことがあったので、ここでお話したいなと思います。
数年前にリサイクルで手に入れた帯がありまして、牡丹の花がとても綺麗に描かれている名古屋なのですが、絵柄に引かれて、お値段もお安くて、眺めるだけでも良いと思って購入したものなのです。
とても華やかな色あいで、若い子が締めたらさぞかし可憐だろうと思うような帯だったので、四十路のおばちゃんが実際に使うにはためらいがあり、毎年この時期になると、眺めて楽しんでいたのです。
ですが、周囲からの勧めもあって、一度位は締めて見ようと思い立ち、派手にならないように色無地に合わせて、グレーのレース羽織を合わせてみたのです。
その時に気づいたのが、お太鼓に柄を全部収めようとすると、異様に大きなお太鼓になってしまうのです。
??と思って、よく見てみると、今まで散々眺めておいて気に止めなかったのに、
いざ実際に締めようとすると、
そう言えばなんで牡丹に梅の花が組合わさっているんだろう?
季節が違わなくない?
牡丹の花も蕾から、淡い色の牡丹の華、濃い色の華と、上から下に描かれているのです。
それで漸く気づきました。

これは、牡丹にはまだ早い時期に、春の花揃えとして上半分を柄出しし、春本番の頃には牡丹だけ描かれた下半分の柄出しをするように、図案が考えられているんだ!!
なんという日本人の知恵!!

そう言えば、ずいぶん昔に、そんな話を聞いたことがあったなぁ…と。
柄を出す場所を調整することで、長い期間に使えるように考えられた帯があったと、着付け教室の先生の昔話を、うっすら思い出して、こういう事だったんだ!と1人感動したのです。
そうとも知らず、何年も眺めるだけでしたので、実際に締めなければ、ずっと気がつかず、ただ美しい絵柄だと思っていただけでした。
やはり、着物や帯は実用品なんですね。
実際に身につけて使ってみて、初めて分かることがたくさんあります。
着付けのルールや仕立ての決まり事、リサイクルの着物や帯に残された、前の主の工夫やこだわり。
そういうものに出会い、その意味に気づくと、ただの伝統美だけでない、日本人が使い続けてきた歴史と知恵に感動を覚えます。
ここで、皆さんのお話をしてくださる知恵や知識にも、同じように心動かされる事が度々あります。
皆さんいつもありがとう。
長々と失礼いたしました。

844: 2023年04月17日 22:41

なるほど〜。そして素敵なお話ですね。

845: 2023年04月18日 10:09

843さん 柄出しを締め方によって調整することで長く着られる帯、身に付けて気付く事ってありますよね。私も春秋柄の長めの袋帯を持っていますが、春は大輪の牡丹をメインに、秋は菊をメインに柄出し出来るように工夫されていて便利さを感じていました。入卒の付き添いでは牡丹を、七五三では菊を身に纏いました。同じ帯でも表情が変わるので気分も変わりますし家族行事の思い出も重なってゆくので良い事と思っております。お互いにお気に入りの帯を大切に使ってゆきましょう。

846: 2023年04月19日 06:37

見える部分にすべて収めて長く使えるようにする
というより、洒落た描き方ですね~
四十代、といっても着物界ではまだまだ若手です
気後れせずどんどん使いましょうよ

関連一方方向に柄がついている半幅帯。柄をどちらに倒すとか、こだわりのある方っている?

関連ポイント柄の名古屋帯って前の柄は中心からはずすもんだと習ったんだけど…


元スレ: https://www.kimonolog.com/archives/post-50730.html





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